◇「ハンセン病図書館 友の会
」へのお誘い◇


国立療養所多磨全生園のなかにあるハンセン病図書館は、35年前、入所者自治会(当時会長:松本馨さん)の60周年記念事業のひとつとして設立されました。以来、松本さんの深い理解の下に、現在も主任を務める山下道輔さんの献身的な努力、国本衛さんら関係者、栗生楽泉園の谺雄二さんをはじめとする友園のみなさんの協力も得て、療養所機関誌、入所者の文芸作品をはじめ、ハンセン病に関する図書資料が収集され、収集された資料は、入園者はもとより研究者や学生、一般 市民に公開され、ハンセン病問題の研究や啓発に大きな役割を果たしてきました。

ところが、たった一人の「主任」である山下さんが昨年病気をされ、入院を余儀なくされました。私たちは、改めて、図書館の育ててきた"果 実"を享受するのみで、図書館の仕事になんら協力してこなかったということに思い至りました。そこで、私たちにも、何かお手伝いできることはないだろうかと、遅ればせながら、「ハンセン病図書館友の会(仮称)」を立ち上げ、少しでも図書館業務に協力したいと考えました。

現在のハンセン病図書館は、山下さんの入院、人手不足などにより資料整理も遅れ、図書館として十分に機能しているとはいえない状況にあります。 そこでまず、私たちの活動の柱として、@資料整理に協力すること、および、A図書館機能の拡大のためにも、これまで収集・保存されてきた貴重な資料や入園者の皆さんの作品がより多くの人の目に触れ、活用されてほしいという山下さんの願いと思いを一つにして、ハンセン病図書館の存在を広く一般 にアピールしていくことに協力したいと思います。

ハンセン病図書館の図書資料は、高松宮記念ハンセン病資料館の増改築に伴い、資料館への移管が予定されています。しかし、私たちは、資料館と図書館では担う役割が異なると考えます。ハンセン病に関する資料には大きく分けて、療養所内の生活用品をはじめ医療機器などの「現物資料」と、議事録や報告書などの「文書資料」、入所者の作品集などの「図書資料」があり、主として現物資料や文書資料を"保管展示"する「資料館」と、図書資料の"利用"を目的とする図書館では、おのずから存在意義を異にします。資料館と図書館はいわば車の両輪であり、共に存在意義があると考えます。

私たちは、図書館業務への協力活動を通してハンセン病図書館の本格的整備をも関係方面 に働きかけていきたいと思っています。 そのためにも、息の長い持続的な活動にしていきたいと願っています。参加者の都合に応じてそれぞれ働きの場があると思いますので、無理なくできる範囲で、ご協力くださいますようお願いいたします。 皆さんの参加・ご協力をお待ちしています。


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